みちのく遠野の旅③~釜石線の車窓が古き良き日本のふるさとすぎた

県庁所在地盛岡から山深き遠野へ続くローカル線・釜石線。愛称「銀河ドリームライン釜石線」に乗ってみたら、曇天時は今にも妖怪が出てきそうだし、晴天時は山下清が歩いてそうだし、なんにせよノスタルジー満載だった話。

釜石線のレトロなカクカクしたお顔にテンション爆上げ

大宮から盛岡まで、東北新幹線で東日本をひとっ飛びに移動し、

あまりの速さにハニワ顔でぽかんとしながら花巻へのローカル線に乗り、

さらにまた乗り換えのホームに降り立つと、

そこでわたしを待っていたのは、レトロな四角いお顔の電車でした。

電車にはまったく詳しくないのですが、乗り物は流線型より古き良きカクカクしたやつがなんか好き。

しかも一両編成。

山深き遠野に出発するにはおあつらえ向きではないですか…!

釜石線、愛称「銀河ドリームライン」の由来と駅名標

釜石線に付いている愛称「銀河ドリームライン」は、もちろん宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」から来ています。

メルヘンな愛称そのまま、ホームも駅名標も童話の1ページのよう…

賢治の詩と星座のイラストがちりばめられたホーム。

おとぎ話の駅ですか…!

と、駅に停まるたびに立ち上がって写真を撮りまくります。

釜石線の全駅には、エスペラント語の愛称がついている

各駅名の下になんかアルファベットで書いてある…と思ったら、エスペラント語の愛称だそうです。

愛称だらけでなんだよなんか愛にあふれてていいぞ…!

ちなみにエスペラント語とは、世界共通言語として1800年代に作られた人工言語で、宮沢賢治も作品の中で使っていたそうです。

花巻は「虹」Cielarko チェールアルコ、

晴山は「桜並木」Ceriz-arboj チェリーズアルボイ。

「どんなまちなのかなー」と想像するのも楽しい。

なんかすごいかわいいやつらもいた…(きゅん)

えええこの子たちの情報もっとください…(きゅん)

魔法のステッキみたいのも立ってる…(きゅん)

駅名標はメルヘンだが、風景は妖怪が出てもおかしくはない曇天

そう、この日は1日じゅう曇天で太陽を拝めなかったのですが、そんな重い雲の垂れこめた車窓の風景は、いまにも天狗でも舞い降りてきそう…

曇天、寒そうな空気、狩り終った田んぼの黄土色、葉が落ちて枝がむき出しの木、紅葉も終わった遠い山の茶色…

全然ここで生まれてないのに、市街地で育ったのに、呼び起こされる郷愁…

脳内BGMはアレですね…

駅に停まるたび席から立って写真を撮るわたしのかたわら、

向かいに座ったスーツケースを携えた40代くらいの男性も、立ち上がりはしないものの、

駅名標やら曇天の下の集落やらをスマホで撮りまくってて、

近くに座ったおじいちゃんが、「こいつらなんなん…???」と不審の目でわたしたちを見比べていました…

おじいちゃん、気持ちはわかるよ…

しかしあなたには何の変哲もないこの風景が、我々のなかの日本昔ばなしを呼び起こすのだよ…!

そして到着した遠野駅は趣のあるレンガ造り

1時間ほど、立ったり座ったり、立とうとしたら充電コードに絡まったり、

膝から床にモバイルバッテリーを落としてみたり、挙動不審で乗り合わせた方々を慄かせておりましたが、

ついに遠野に到着です。

駅舎がレンガ造り!

遠野のエスペラント語は「民話」Folkloro フォルクローロ。

んーーーぴったり。

駅員さんがきっぷをピッてしてくれるスタイル。

この入り口のランプもめっちゃかわいくないですか…涙

カクカク電車、またね。

遠野から盛岡への帰路はうってかわって晴天!

2日後に盛岡へ戻りの釜石線に乗ると、今度はピーカンの晴天!

しかもラッピング車両だ!

すすきがおひさまの下でキラキラと輝いて、まだ刈られていない田んぼが青々として…

きょうは絶対天狗とか出ない!

出るとしたら山下清!

脳内BGMももちろんアレです。

(わからない若い子はググろうね!!!)

2023年秋より、釜石線ラッピング電車の運行開始!

盛岡に降り立ち、改めてラッピング車両の外観を見てみると、森のようなデザインでめっちゃセンス良き…!

調べてみると、ヘラルボニーという会社とのコラボによる、障害を持つアーティストの作品だそう。

力強い木々のデザインが、遠野の森を思い起こさせます。

ラッピング期間は2年ほどの予定のようです。

わたしが乗るちょうど1か月前から運行していたようで、めちゃくちゃラッキーだなじぶん…!

赤を基調にした別パターンも走ってるみたいなので、また乗りに行きたいなぁ…

釜石線、楽しかったー!